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試合みどころ
| 試合日 | 2008年11月3日 14時45分キックオフ | 会場 | 横浜スタジアム |
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前節アサヒビールシルバースター(以下、シルバースター)に完勝し、FINAL6出場を決めた富士通フロンティアーズは、11月3日ディビジョン優勝をかけ、横浜スタジアムにて全勝同士のオンワードオークス(以下、オークス)と対戦する。
どちらのチームもFINAL6出場が決まっているので、この試合をどう捉えるか意見が分かれるところだが、勝つことの意味について整理したい。
勝つことでのメリットは大きく3つ。
1つはFINAL6でのシード権獲得の可能性が出てくるということ。
昨年フロンティアーズは、ディビジョン優勝を果たし、#21今井主将が抽選の結果、シード権を獲得した。準決勝からの登場となり、試合までの準備期間が十分にもてたことは怪我人の回復、相手チームの分析、新しいプレーの導入など、シード権獲得の優位性は明らかだ。当然、シード権を獲得できないと、その逆のことが言える。くしくも昨年準決勝で対戦したのがオンワードスカイラークス(現オークス)。彼らはプレーオフ初戦のアサヒ飲料戦で戦力を消耗し、富士通戦への準備期間も少なかった。その結果かどうかはもちろんわからないが、21-31と富士通フロンティアーズに完敗し、日本一の夢を断たれている。
2つ目は、この試合に本気で臨むことによって、チームが成長するということ。
人は厳しい局面に立ち向かって、それを乗り越えることで成長するといわれる。チームもまさに同じで、厳しい試合になればなるほど、成長のチャンスでもある。先日のシルバースター戦では大きな成長があっただろうし、次のオークス戦は更なる成長のチャンスであることは明白だ。このチャンスを自ら捨てることは、非常にもったいない。
3つ目は、勝ち癖がつくということ。反対に負ければチームには負け癖がつく。
圧倒的な強さで勝ち進んできたオークスに勝てば、自信もつくし、その後の試合でも、勝つ雰囲気が自然と出てくるであろう。試合中に選手が「負ける気がしない」と思うときはこういう試合での勝利を重ねることで生まれる。一方、オークス戦に120%で戦った場合のデメリットはというと、怪我人が出る可能性が増えるということと、決勝で再度対戦した場合に、手の内をすべて出し尽くすということくらいか。
ここは首脳陣の考え方ひとつだが、個人的には、本気で勝ちに行くことのほうが圧倒的に意味があるとみている。仮に怪我人が出たとしても、プロ野球クライマックスシリーズの読売ジャイアンツのように、控え選手が活躍し、結果としてチームの層が厚くなる可能性もある。
長年のライバル、オークスとは、ぜひ本気の「ガチンコ勝負」をファンも期待している。
さて、前置きが長くなったが、上記を踏まえた上でのみどころをみてみる。今年のオークスは、圧倒的な攻撃力を誇っている。1試合平均57点、すべての対戦相手に対して、フロンティアーズよりも得点を奪っている。
なかでも注目は昨年まで法政大学で活躍した新加入のQB(クォーターバック)#4菅原だ。過去4試合では53回パスを投げて45回成功と、約85%の驚異的なパス成功率を誇っている。今までのエース、いや日本代表のエースでもあったQB#13冨沢、そして他のチームでは十分にレギュラークラスの#10小島をも控えに回すほどの逸材だ。プレッシャーのかかる初戦シルバースター戦のスタートを任され、パス21回中19回成功、300ヤード稼いだ肩は、圧巻であった。この菅原のメインターゲットは、#7井本、#88大滝、#25前田らのアスリート。短いパスと捕って走るのもよし、一発タッチダウンもあり、と手強いメンバーが揃う。ランプレーを完全にストップし、パス重視で守ったディフェンスにも、確実に通してくるオークスのパスオフェンスは、フロンティアーズディフェンスにとっては脅威となる。今季調子の良いフロンティアーズディフェンスとの勝負はこの試合最大の焦点であろう。シルバースター戦で見せた、DL(ディフェンスライン)2人にラッシュさせ、残りの9人でパスをゾーンで守るディフェンスか、LB(ラインバッカー)のブリッツを多用し、プレッシャーをかけて勝負をかけるのか。

試合の中でもお互いの駆け引きが様々なシチュエーションで行われる。オフェンスやディフェンスの体形やプレーの選択をみて、このお互いの駆け引きや、狙いがわかるようになると、見ていても100倍楽しめる。シルバースター相手に39点を奪ったオークスオフェンスに対し、ディビジョン最少失点のフロンティアーズディフェンスがどう挑むのか。今からわくわくする。
一方フロンティアーズオフェンスは、オークスほどではないが、確実に得点力はあがってきている。特に#18出原と#19吉田の2人のQBはオークスディフェンスにとってもやっかいなはずだ。彼らのパスを#17秋山、#80米山、#88河瀬、#86清水ら日本を代表する長身WR(ワイドレシーバー)が待ち受け、常に一発タッチダウンを虎視眈々と狙う。


派手さはないが、徐々に往年の走りを取り戻しているRB(ランニングバック)#20森本のプレーにも注目が集まる。彼のランと、吉田のQBドローが出始めれば、ある程度の得点は計算できるであろう。
接戦になるとさらに重要性が増すのがキッキングチームだ。FG(フィールドゴール)の安定感が増している#10後藤のキックは頼もしい存在だ。また春から徹底的に練習しているタックルも徐々に良くなってきており、カバーチームも完成度が増してきている。藤田ヘッドコーチの「飛び込むな!腰を入れてタックルしろ!」の怒号も最近は減ってきている。
リターンチームは欲を言えば、ビッグプレーを望む。リターナーにはアスリートが配置されているだけに、全員がしつこくブロックを続ければ、タッチダウンも夢ではない。
点の取り合いか、攻守蹴が噛み合えば、完勝か。みどころはたくさんあるが、最大の注目は、オークスオフェンス対フロンティアーズディフェンス。両チームのレベルの高い攻防は見逃せない。両チームのプライドが3日、横浜でぶつかりあう。
文章:フロンティアーズOB 市浦 哲