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アスリートの素顔〜第1回 QB #16月野允裕選手〜

FRONTIERS版『素顔のアスリート』をスタートします。この連載ではFRONTIERSの選手を特集し、試合で見るアスリートとしての顔だけではなく、練習風景や社会人としての顔など、より選手を知ってもらう企画です。第1回はQBの#16月野允裕選手をレポートします。

アメフトとの出会い

練習中の月野選手月野選手の出身は、学生を中心にアメフトの人気がある大阪です。「小さい頃からテレビなどでよく見かけ、身近なスポーツの一つではあったが、まさか自分がアメフトをやるとは思っていませんでした」というように、月野選手は小学校から始めた野球でプロ選手になる事が、将来の夢でした。
小学校、中学校と肩の強さには自信がありピッチャーとして活躍していました。憧れの選手は原辰徳選手でした。アメフトとの出会いは高校に入学してからで、関西大学第一中学校時代に数学を教わっていた先生が、関西大学第一高校(以下関大一高)のアメフト部の顧問だったのがキッカケとなりました。「先生に勧誘され野球に未練もあったが、新しいスポーツに挑戦してみようと思い入部しました」アメフトの強豪関大一高に入部とともに頭角を現し、3年時にはエースQBとして日本一に輝くなど、最高の形でアメフト人生をスタートさせました。

エースQBとしての自覚

練習中の月野選手今でこそFRONTIERSのエースQBで2006パールボウルMVP受賞など、活躍著しい月野選手ですが、昨年までは高校日本一を最後に大舞台から遠い存在でした。大学時代の大半を2部リーグ(関西学生リーグ)で過ごし「あの頃は、強いチームと対戦することもできず、よりレベルの高いところで自分の力を試したいと思っていました」この言葉のとおり、大学卒業後、富士通に入社、FRONTIERSに入部しました。
月野選手がFRONTIERSに入部した時には、すでに2人の日本を代表するQBの中澤選手(#4)と木之下選手(OB)がいたこともあり、入社から昨年までの4年間月野選手はずっと控えQBで、試合出場も少なく「自分が試合に出ることだけしか考えられず、チームのことなど考える余裕もなかった」と振り返っています。「昨シーズンのオフ期間に木之下さんが現役を引退したこともあり、自分がやらなければという意識がでてきました」この意識が自覚となり、今シーズンは自ら率先して“オフェンスを考える会”を主催するなど、ポジションの垣根を越えたコミュニケーションを図る役割を担ってきました。「このミーティングで皆が勝つにはどうしたらいいか、本気で言い合えたのがオフェンスの一体感につながったと思います」
また月野選手が絶対の信頼を置くのが藤田ヘッドコーチです。「自分はまだまだ無知なQBなので、藤田さんの存在なしではやっていけません」というように、必ず練習前には、藤田ヘッドコーチとミーティングを行いプレーの理解を深めています。「藤田さんとのミーティングもそうですが、今シーズンは何事も妥協なくやっているので、まだまだ不安な部分はたくさんありますが、思い切ってプレーできています」月野選手はこの春のパールボウル優勝に満足していません。より成長して秋には真の日本一に導いてくれるはずです。
パールボウル優勝後にスピーチする月野選手プレー中の月野選手

ショートパスへのこだわり

月野選手アメリカンフットボールでQBといえば花形ポジションで、ロングパスや、自らのランプレーで観客を魅了する役割を持ちますが、月野選手は周りの選手を活かすために、何をしなければいけないかを一番に考えています。「自分は目立ったことはできませんがFRONTIERSには良いWR、RBがいるので、彼らが活躍できるように心がけています」
月野選手が今年の春から取り組んでいるのが、ショートパスの精度を高めることです。現在FRONTIERSの攻撃のフォーメーションはショットガン体型を採用しており、ショートパスの場合、スナップを受けてからすぐに投げなければいけません。そのためボールのレースに手をかけないで、投げる練習を行っています。アメフトの選手としては、手の大きさも握力も平均以下の月野選手は「最初は全然思うように投げられなかったが、腰を使い、体全体で投げるイメージを掴んでから、やっとまともに投げられるようになりました」このイメージはショートパスだけではなく、ロングパスにもいい影響がでてきているといいます。しかし月野選手はあくまで、周りを生かすショートパスにこだわりを持って攻撃を指揮します。

ビジネスマン月野の顔

業務中の月野選手月野選手は、富士通のSE部門も拠点でもある蒲田にソリューションスクウェアに勤務しています。主にSE向けの技術支援サポートの窓口となっています。上司の小山センター長からは「スポーツマンらしく根性がある。またコミュニケーション能力に優れ、SEの窓口として期待しています。アメフトと仕事の両立は大変ですが、がんばってください」と言葉をいただきました。
職場からも応援されている月野選手の仕事での目標は、窓口として信頼されるようになることです。そのために人とのコミュニケーションをとても大事にしています。何より人との付き合いを大事にする月野選手は「部署の人はいつも応援に駆けつけてくれますし、仕事でもいろいろアドバイスをいただいています。両面でサポートしてくださる職場の人には感謝しています」
業務、アメフトとも期待されている月野選手ですが、必ずやその期待に応えてくれることでしょう。
業務中の月野選手