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秋期リーグ第2節 vs.オービックシーガルズ戦レポート
| 試合日 | 2007年9月17日 | 会場 | 東京ドーム |
| 天候 | 晴れ | 観衆 | 1,692人 |
| チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
| 富士通フロンティアーズ | 14 | 7 | 0 | 0 | 21 |
| オービックシーガルズ | 7 | 0 | 0 | 0 | 7 |
富士通フロンティアーズ(以下、富士通)にとって、最大の山場であるオービックシーガルズ(以下、オービック)との試合は、最後まで集中力を切らさなかった富士通が21-7で接戦を制した。Xリーグ発足後レギュラーシーズンでオービックに勝利したのは初めてで(リクルート時代含む)、社員やチームOBで埋まったスタンドは、優勝が決まったかのような歓喜に包まれた。この試合に全てを賭けてきた選手やコーチの中には、涙するものも少なくなかった。
前節のオール三菱ライオンズ戦では、勝利したもののミスの連発でチームの雰囲気は決して良くなかった。ここで藤田ヘッドコーチは選手達にこう伝えたという。「あとの試合はどうでも良い。オービックに勝つことだけを考えろ」まさに全身全霊でこの試合に打ち込む気持ちをチームに浸透させ、10日間、選手・コーチ陣たちはとにかく、この9月17日に全ての照準を合わせてきた。
18時20分、富士通のキックオフで試合開始。キッカー#17長谷のキックはアウトオブバウンズ(OB)に出て再度蹴りなおし。ここで信じられない光景を目にすることになる。再度キックした長谷のボールをオービックリターナー#83清水がキャッチし、中央を抜けるとそのまま独走してタッチダウン。昨年大敗した試合と全く同じ始まり方に、誰もが愕然としたに違いない。しかし、ここから富士通の、この試合に賭けた集中力をみることになる。なんと言ってもMVPはディフェンス陣であろう。「走り勝つ」をテーマにし、春からオービックに勝つためだけに走りこみのメニューを繰り返してきた。スターティングメンバーの怪我など、戦力的には充分ではなかった状況で、全員が走ってオービックオフェンスをとめた。今や日本一のランニングバック(RB)との呼び声高い、オービックの#20古谷を59ヤードに抑え込み、ディフェンスでの失点はゼロ。完璧にオービックオフェンスを抑えたと言っても、言い過ぎではないだろう。

さて試合の流れに戻るが、オービックにキックオフリターンタッチダウンで先制された後の富士通の攻撃。もうすっかりレギュラーに定着したクオーターバック(QB)#18出原を中心としたオフェンスは、自陣22ヤードから始まった攻撃をリズムよく進める。ランニングバック(RB)#20森本、#28進士のラン、ワイドレシーバー(WR)#15ブレナン、#80米山のパスなどで、敵陣20ヤード付近まで攻め込む。しかしここで#28進士が痛恨のファンブル。そのボールをリカバーされ、攻撃権がオービックに移る。
ここで富士通のディフェンスはオービックの攻撃をスリー&アウトで仕留め、すぐさま富士通オフェンスにボールを渡す。最初のプレー、WR#86清水へのロングパスがヒットし、タッチダウン。日本代表クラスの精鋭達が揃うオービックのディフェンスバック(DB)陣に対して、宣戦布告の一発となった。長谷のキックも決まり、7-7の同点。
富士通キックオフ後のオービックの攻撃もスリー&アウトで抑え、4thダウンのパントをラインバッカー(LB)#45鈴木がブロック。敵陣23ヤードという絶好のフィールドポジションで攻撃権を得る。このチャンスにQB#19吉田のキープと最後は#28進士のランでタッチダウン。走る進士の前でWR#25柿沼の必死のブロックが光った。

しかし、逆転した次の富士通のキックオフでまたもやオービックの#83清水がビッグリターン。富士通陣の20ヤード付近から相手の攻撃が始まる。この悪いフィールドポジションでも富士通ディフェンスは踏ん張った。4thダウンギャンブルで、オービック#83清水のリバースプレーをディフェンスライン(DL)#42李、LB#45鈴木が渾身のタックル。これでディフェンスは3回連続でファーストダウンを与えず、何度も続く悪いフィールドポジションを、「走り勝つ」全員ディフェンスで守っていく。
今日のオービック#83清水のキッキングの脅威は止まらない。第1Q終了間際、富士通のパントをキャッチした清水は一気に富士通のエンドゾーンへ。タッチダウンかと思われたが、1ヤード手前でアウトオブバウンズに出る。富士通陣1ヤードからのオービックの攻撃に、誰もが失点を覚悟したこのシーンで、ここでもディフェンスが奮闘。相手RB#20古谷のランプレーをとめた上にボールをファンブルさせ、これをディフェンスバック(DB)#26植木がリカバー。

このあと両チームとも一つずつターンオーバー(ファンブルロストとインターセプト)を喫し、両ディフェンス陣が粘りを見せる。14-7のまま前半も残り2分を切ったところで再び試合が動く。50ヤード付近から始まった富士通のオフェンスが、WR#84久保田へのパスを皮切りに、この日93ヤードを稼いだ#20森本が最後は16ヤードを走りきりタッチダウン。スタンドからは森本コールが沸き起こり、21-7で前半を終える。

前半を終え、選手達を前に藤田ヘッドコーチが発した言葉は「目の前の1プレーに集中」2000年にリーグ戦全勝優勝したときの当時の奥監督の言葉も同じだった。この「目の前の1プレーに集中」できるかがチームの力を最大限に出す、そして勝敗を分ける最大の要因かもしれない。藤田ヘッドコーチは続けて「21-7でリードして喜んでいるチームは二流。ここで0-0のつもりで目の前の1プレーに集中できるのが一流のチーム。一流のチームになろうや。」この言葉を選手達は最後まで遂行した。富士通ディフェンスはDL#37伊藤、LB#2甲斐、#9宮口、DB#26植木、#33シコインらのハードなプレッシャーで最後までオービックに彼らのプレーをさせなかった。後半は0-0で、ファイナルスコア21-7で試合終了。

今季オービックから移籍した柳オフェンスラインコーチは、「特別なことは何もしていない。もちろんオービックのディフェンスは徹底的に研究したが、オフェンスラインにはゴリゴリ押して欲しかった。そしてそのとおり彼らはやってくれた。」と、選手達を褒め、選手達は「日々のハードな練習で自信がついた。柳コーチ、大野コーチの存在は大きい(#72大坂)」と選手コーチ間の信頼関係の高さがうかがえた。#20森本は、「今まで選手を続けてきて本当に良かった。この日のためにやってきた」と、まるでシーズンを優勝で飾ったかのようなコメント。兎にも角にもチームの打倒オービックへの想いは、勝利という最高の形で実を結んだ。
これでプレーオフ出場へ有利になった富士通は、次節これまた強豪アサヒビールシルバースターと対戦する。ここまできたら最後まで行って欲しい。
文章:フロンティアーズOB 市浦 哲
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コーチ・選手のコメント
藤田ヘッドコーチ:
(試合終了後、満面の笑みで選手たちを迎えたのは)もちろん、勝ったのもありますが、選手たちが頑張ったのがうれしかったからです。出だしに関しては、それなりに対策を立てて、準備したにも関わらず、去年と全く一緒のキックオフリターンタッチダウンだったので、相手は凄いなと思いました。ただ、その後、1シリーズ目でターンオーバーされたものの、2シリーズ目で、点数が取れたのは良かった。試合前、選手たちには、「いつも通りにやろう」ということと、「1プレーずつ集中していこう」ということを伝えました。こういう大舞台に立てることは、幸せなことですよね。それに感謝して、自分たちのプレーをし、自分たちの力を存分に発揮することで、感謝の気持ちを表そうと話しました。今日の試合は、怪我人も多かったですが、気力がすごく充実していましたし、非常にいいムードで、試合を展開できました。選手がその時、その時で集中して、いいプレーをずっと続けてくれたこと。また、最初から最後まで、プレーが大きく変わらなかったことが、良かったと思います。ただ、まだ2勝しただけです。私たちは勝ったから強くなるわけでもないし、負けたから弱くなるわけでもありません。取り組むことは一緒です。自分たちのフットボールができるよう、高いレベルでやることだけに集中していきたいです。
#18 出原選手:
このシーズン始まってから、シーガルズ戦のことだけを考えて、練習を重ねてきました。ただ、実際に試合が始まると、目の前のプレーに集中するだけ、という気持ちで臨んでいました。相手がどこであれ、自分がやってきたことを信じて、練習通りやるだけと思っていました。今日のよかったプレーを挙げるとすると、早い段階で長いパスを決められたことですね。それで、勢いに乗ることができました。次のステップへの道が開けましたが、「絶対に日本一になる!」という目標があるので、それを達成するために、一試合、一試合取り組んでいくだけですね。今日、勝てたのは、声援があったからだと思っています。大きな声援、本当にありがとうございます。社会人一年目として、とにかく、一試合、一試合、全力を出してやるだけですので、引き続き、応援をよろしくお願いします。
#20 森本選手:
今日もいつも通りプレーをしました。今年は、とても調子が良くて、調整がうまく行っています。ここ2、3年の中では、体がよく動いていて、前の試合(オール三菱ライオンズ戦)から「行ける!」と感じてました。オービックシーガルズとは、何度も対戦していますが、秋季では唯一、勝てていない相手でした。いつまでも辞めることができない原因は、「シーガルズに勝てていない」というところにあるのかなと。パールボウルでは勝ったことがありますが、春と秋とでは違うので、秋に勝ちたい、という強い気持ちをずっと持ち続けていました。やはり、負けっぱなしのアメフト人生は嫌なので。勝てて、本当にうれしいです! それから、場内でわき起こった「森本コール」は、すごく励みになりました。(チーム内には、若手がいっぱいで、チームを引っ張る立場かと思いますが…)逆に引っ張ってもらっていますよ。みんな、すごい選手たちばかりなので。つらいと思っても、みんなから声をかけられたら、やらなければ!と思いますから。もう若手とか、ベテランとかって区別はないですね。(いよいよ重かった扉を開きましたが)まだ実感が沸いてこないです。十何年分の思いがあって、そこに賭けていたところもあったので。少しだけ、余韻に浸りたいですね。その後、チームの最終目標である「日本一」のことをじっくりと考えたいです。今年のチームは、本当に最後まで諦めないチームになっている。今まで、口では言っていても、なかなか態度で示せなかったと思います。それが、ようやく実になろうとしている。それは見放さず、応援し続けてくださる方々がいるからだと感じています。また一緒に応援していただけると嬉しいです。
#26 植木選手:
今日の試合前からというよりも、去年のシーズンが終わってから、ずっと気合いが入っていました。ですから、一年分のうっぷんを晴らせた感じですね。7点先制されたときには、脳の左から右に嫌なものが過ぎりましたが、試合開始直後の交通事故のようなものなので、ディフェンスは次のプレーに集中しようと。どんな状況でも1プレーに集中しようというのを全員が言い続けて、やり切りました。それが結果に繋がったと感じています。自分自身はしっかりとタックルで仕留めるところ、相手がファンブルしたという運も逃さず、しっかりとボールを掴んだところも含めて、きちんと集中したのが大きかったのかなと。とにかく、今、自分ができることを全力でやろうという気持ちだけを忘れずにプレーしていました。去年ですと、キックオフリターンで行かれたら、ドタバタしていたが、そこは、この試合に本当は出たかった控えの選手や、怪我をした選手がベンチワークで、しっかりまとめてくれたので、チームプレーというのは、ベンチ含めてできたと思っています。(ファイナルの道が見えてきましたが)今は、ファイナルっていうのをあまり意識せず、スタンスは同じままでいきたいです。次のプレーに集中する。アサヒビールシルバースター戦に集中する。そのための練習に集中するということです。ファンのみなさんには、序盤、ヒヤヒヤしたかと思います。圧勝というのをなかなか見せられないかもしれませんが、ディフェンスと一緒に辛抱しながら、熱く応援を続けていただければ、最後、一緒に感動してもらえると思います。ハラハラドキドキしながら、楽しんでください。
#33 シコイン選手
私にとって、初めてのゲームでしたが、勝つことができ、すごくいい気分です。フロンティアーズにとって、十何年も勝てなかったシーガルズ相手に勝てたことは、本当にうれしいです。もちろん、厳しい練習を積んできたチームにとっても、勝利できたことは素晴らしいことですし、日本一に一歩近づけたという意味で、非常に大きな勝利だと感じています。このまま、日本一になれればいいのですが、これからも手強い相手との対戦が続きます。次に対戦するアサヒビールシルバースターも、非常に素晴らしいチームです。道のりは長いですが、日本一になるという目標に向かい、突き進んで行きたいです。とにかく、今日の勝利を日本一へとつなげたいですね。
今日の試合で、印象に残ったプレーをひとつだけ挙げるのは、難しいです。フロンティアーズの勝利に貢献したプレーは、すべて印象的なプレーだと感じていますから。もちろん、自分自身のプレーもそうですし、味方の素晴らしいプレーもありました。ビッグプレーもありましたし、とても小さなものでも、チームの勝利に欠かせないパフォーマンスもたくさん見られました。また、プレーだけでなく、セレブレーションなど、チームみんなで戦い、チームの勝利につなぐことができたこと、そのどれもがとても印象的なものです。
ファンのみなさんには、本当に感謝しています。非常に多くの観客の方に足を運んでいただき、その中でプレーをできたことは、かけがいのないものでした。ファンの方も、チアもみんなで大声援を送ってくださったので、東京ドームが最高の雰囲気で包まれていました。私にとって、初めての試合、そして初めてのオービックシーガルズ戦は、忘れえぬものとなりました。本当にありがとうございました。














