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2007年Xリーグ頂点への道 FINAL6準決勝みどころ
プレーオフ2回戦(準決勝)からの登場となる富士通フロンティアーズは、アサヒ飲料を20-0で下したオンワードスカイラークスと対戦する。フロンティアーズとオンワード(オンワードオークス時代も含める)の激戦の歴史は長い。1993年から1995年までのパールボウルは3年連続同カードで、全てオンワードが勝利し、フロンティアーズは3年連続2位に甘んじた。その後2000年あたりからオンワードから勝ちを拾えるようになったフロンティアーズは、2002年春のパールボウルトーナメント、秋のプレーオフをそれぞれ17-16、20-17と、いずれも今なお現役で活躍中のキッカー#17長谷のサヨナラFGで勝利する。

しかし、2003年から2005年の秋のリーグ戦ではオンワードスカイラークスに3連敗。2003年以降、フロンティアーズがプレーオフ出場を断ち切られている一つの大きな壁にもなっている。一方で昨年のパールボウル決勝、今年の春の交流戦ではそれぞれ20-6、21-17と勝利し、過去5年でみるとほぼ互角の戦いとみていいだろう。
今季、オンワードスカイラークスはリーグ戦2戦目でIBMに黒星を喫し、一度はプレーオフも危ぶまれたが、しり上がりに調子を上げ、リーグ最終戦で鹿島を下し、プレーオフ出場を決めて2年連続の日本一を狙う。チームカラーとしては、オフェンスの爆発力をイメージされがちだが、実際にはディフェンスのチームといっていい。プレーオフ1回戦のアサヒ飲料戦であげた20得点のうち1タッチダウンはディフェンスで得点したもので、更に相手オフェンスを完封している。
最もタレントが揃うのはDB(ディフェンスバック)陣だ。NFLヨーロッパで3年間プレーした#21堀と、#24レジーミッチェル、#2ジャマールウエインら日本のフットボールに慣れた両外国人らがうしろを守り、得点を許さない。また個々の能力が高いためにマンツーマンで相手レシーバーをマークし、余るDBをランサポートさせフロントもより強固になり、フロンティアーズオフェンスとしては苦戦を強いられそうだ。
試合のみどころとしては次の2点。まずはライン戦だ。両チームとも大型のオフェンスラインが、これまた両チームともに機動力のあるディフェンスラインをどうコントロールしていくか。言ってみれば、オフェンスライン対決である。フロンティアーズオフェンスラインの中心であるセンター#77東城は、入社5年目の今年まで、練習を1回しか休んでいない。怪我がつきもののスポーツにおいて、ここまで出来るのも彼のたゆまぬ努力の成果である。常にボールを触る唯一のラインマンとして、集中力はもちろん、ハドルの中心としてのリーダーシップをも必要とされるこのポジションで、怪我がないのは心強い。誰よりも練習をしている東城のブロックに注目したい。
もう一つは空中戦だ。オンワードスカイラークスのQB(クォーターバック)は今夏ワールドカップでも日本代表のエースを務めた#13冨澤がタレント豊富なWR(ワイドレシーバー)陣を操る。ライン戦が互角だとすると、このQB、WRのパフォーマンスが大いに鍵を握る。フロンティアーズ、オンワードスカイラークス共に、WRのキャッチミスやQBのスローミスなど、ちょっとした気の緩みが勝敗を分けることになるだろう。また、オンワードスカイラークスがマンツーマンディフェンスを用いてきた場合のフロンティアーズWRとオンワードスカイラークスDBの1対1のハイレベルな勝負も一見の価値ありだ。


さて、近年、日本のアメフト界において「コーチ」というポジションがプロ(仕事)として確立されつつあるのを皆さんはご存知だろうか。フロンティアーズ、オンワードスカイラークスも例外ではない。フロンティアーズは藤田ヘッドコーチをはじめ、延原、柳、大野コーチなどいずれも他チームからの移籍組だ。優秀なコーチが勝利を左右することに他ならない。これは、アメリカンフットボールというスポーツが、選手の能力だけでは強いチームにはならない、戦略的なスポーツであることを意味している。ゲームプランなどの戦略をはじめ、選手へのモチベートなど、彼らの仕事は多岐に渡っている。
今回対戦するオンワードスカイラークスLBコーチの富永氏は、昨年までオービックシーガルズでフロンティアーズの柳コーチ、大野コーチと共に戦ってきた同士。今季より、お互いに新しいチームでこの準決勝で対戦できることは、コーチ冥利につきることかもしれない。また、同じくオンワードスカイラークスDBコーチの大久保氏は、京都大でフロンティアーズの藤田ヘッドコーチと一緒に学生を指導してきたこれまた戦友である。お互いに手の内を知り尽くした同士の対戦も、また興味を抱かせる。選手達の個々のプレーはもちろん、そのプレーに隠れたコーチたちの戦いも見逃すことはできない。

過去の対戦や、選手個々の能力を見ても、今度の試合が接戦になることは言うまでもない。1Q(クォーター)が15分(リーグ戦は12分)になることで、時間の使い方、タイムアウトの取り方なども、リーグ戦にも増して重要になってくる。選手達が問題意識をもって練習に取り組んでいるか、結果は試合に出る。5年ぶりの決勝進出に向けて、昨年覇者オンワードスカイラークスとの決戦が12月1日、いよいよ始まる。
文章:フロンティアーズOB 市浦 哲



