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2007年 FINAL6準決勝オンワードスカイラークス戦ゲームレポート
| 試合日 | 2007年12月1日 | 会場 | 横浜スタジアム |
| 天候 | 晴れ | 観衆 | 3529人 |
| チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
| 富士通フロンティアーズ | 10 | 7 | 7 | 7 | 31 |
| オンワードスカイラークス | 0 | 0 | 7 | 14 | 21 |
5年ぶりのプレーオフ出場となった富士通フロンティアーズは、シード権を獲得し、2回戦(準決勝)からの登場。昨年の覇者オンワードスカイラークス(以下、オンスカイ)と対戦し、終始ゲームをコントロールしたフロンティアーズが31-21で完勝し、5年ぶりの社会人決勝へと駒を進めた。決勝の相手は、準決勝で強豪オービックシーガルズをタイブレイクの末破った「西の雄」松下電工インパルスとなった。
オンスカイ戦、試合開始10分前のハドル。「特別なことはせんでええ。いつも通り、ミスもあるかもしれん。それでええ。自分達のプレーをすればそれで充分や」。藤田ヘッドコーチは、ほとんどがプレーオフ初体験で緊張している選手達に、まず落ち着かせるための言葉をかけ、最後にこう締めた。「自分にできることを最後までひたむきにやるだけや」
横浜スタジアムのレフトスタンドあたりの室内で、気持ちを一つにした選手達は、晴天に恵まれたフィールドへ飛び出して行った。
コイントスにより先攻となったフロンティアーズは、自陣20ヤードから攻撃開始。クォーターバック(QB)は、今シーズン新人ながらフロンティアーズオフェンスを操る#18出原。目だったプレーはないが、移籍1年目の#19吉田と共に、今年のオフェンスの立役者といっていい。最初のプレーで、その出原からワイドレシーバー(WR)#15ブレナンにパスがヒットすると、テンポの良いオフェンスが展開される。この日100ヤードを稼ぎ、好調だったランニングバック(RB)#28進士のランを中心に、11プレー、約4分半を費やし、最後はRB#20森本が走ってタッチダウン。この日PAT(タッチダウン後のキック)を任されたキッカー(K)#6小山もしっかり決め、7点を先制。今季のオフェンスの好調さがそのまま出たシリーズだった。

対するオンスカイのオフェンスは今年のW杯でも活躍した日本代表のQB#13冨澤が指揮をとり、要所で#16本間、#4石川にスイッチし、フロンティアーズディフェンスに的を絞らせないように攻めてくる。RB#15伊藤のランとWR#7井本へのパスで立て続けにファーストダウンを奪うが、オフェンスラインのホールディング(相手のジャージなどを掴むこと)の反則を取られてリズムを崩す。そこをフロンティアーズディフェンスがきっちり抑え、パントに追い込んだ。
振り返ると、この最初の攻防が勝敗を分けたかもしれない。
フロンティアーズは2シリーズ目もタイトエンド(TE)#87大矢へのパスやRB#20森本の手堅いランで前進し、最後はオンスカイ戦では2回のサヨナラFG(フィールドゴール)経験のあるK#17長谷が34ヤードのFGを決め、10-0とリードを広げた。
フロンティアーズディフェンスは怪我から戻ってきたラインバッカー(LB)#13平井と#45鈴木の日本代表コンビが暴れQBサックの競演。シーズン通して堅かったディフェンス陣に、心強い二人が帰ってきた。成長著しい、#22谷川、#12玉川、ベテラン#23山口らとのポジション争いも続き、結果として層の厚さが生まれている。ディフェンシブライン(DL)はポジションリーダーの#37伊藤が大活躍。もともと能力の高い彼だが、「今までは波があったが、8月ごろから自分の形を見つけたようで、安定して力を発揮できるようになった。まだまだ伸びていくと思う」と、DL山田コーチは言う。ディフェンシブバック(DB)も、#43太田や主将#21今井らの出足の早いタックルでロングゲインを許さない。前半はオンスカイのオフェンスをシャットアウトし、17-0の予想外の優位で終了した。

ハーフタイムでは、「無駄な反則や交代ミスを無くすこと」と「普段(1Q12分)であればまだ2Q半ばであるという、15分Qの意識」を再認識させ、最後までやるべきことを遂行するよう藤田ヘッドコーチより指示が飛んでいた。
後半はオンスカイからの攻撃。一転してオンスカイオフェンスのリズムがよくなる。QBに#16本間、#4石川をいれ、QBのラン、そして短いパスでフロンティアーズディフェンスの裏をかく。ゲームプラン通りか、ハーフタイムで戦略を替えてきたのかはわからないが、明らかにテンポが変わった。結局オンスカイの最初の攻撃は、8分をかけてタッチダウンを奪い、17-7と射程圏内にフロンティアーズを捕らえた。
今年の富士通の強さは、TDを取られた後に取り返す。これが今までと大きく違うところだろう。自陣26ヤードから始まった攻撃を、#28進士のラン、WR#80米山のパスなどで敵陣に攻め込み、最後はスーパーリザーブ、RB#32千葉のタッチダウンラン。8分かけて取られた7点を、2分であっさり取り返した。24-7。ここは、追撃ムードで意気上がるオンスカイにかなりのダメージを与えたに違いない。
試合を通じて、オフェンシブライン(OL)が相手のディフェンスライン、ラインバッカーをコントロールできていたフロンティアーズは、確実に得点を重ねていく。この日は、QBへのプレッシャーをほとんどかけさせなかったOLの#75山本は「今日は隣とのコミュニケーションが良く取れて、パスプロテクションは良かった。また、ランプレーでゲームをコントロールしたかったが、ある程度それは遂行できたと思う」と、胸を張る。そのOLのブロックに支えられて、追加点をもぎとったのは前出のスーパーリザーブ千葉だ。本人としては嬉しくない肩書きかもしれないが、スタンドの観客からの評価も高い。森本、進士と共に、彼の存在は相手チームにとっても脅威であろう。彼のタッチダウンで31-7とし、ほぼ試合を決定付けた。

ちょうどこの試合が終わる頃、関西の長居ではもう一つの準決勝、オービックシーガルズと松下電工インパルスの試合がまだ行われていた。こちらも熱戦で、第4Qを終了し23-23の引き分け。勝敗を決するために延長戦のタイブレイクとなったが結局29-26で松下電工が勝利した。チームのほとんどが横浜スタジアムでのオンワードスカイラーク戦に臨んでいた一方で、スカウティング部隊(決勝戦であたるチームの対戦相手分析)に久下と遠山、二人のマネージャーが出張していた。この二人が撮影したビデオで、コーチ陣による研究が行われ、決勝戦での戦略が練られる。重要な任務なのだ。チームが戦っていく上で、スタッフの陰の力というものも、また見逃せない。
「のんびりしとったらボロ負けするぞ」。試合後のハドルで選手達のかぶとの緒を締めた藤田ヘッドコーチ。松下電工は、アサヒ飲料時代に何度も対戦し苦戦してきた相手との試合。本人に聞いても、おそらく「相手は関係ない」という答えが返ってくるだろうが、個人的な想いも少なからずあるだろう。
5年前はシーガルズ(今のオービックシーガルズ)に7-14で敗れ、社会人日本一に一歩届かなかった。5年前の悔しさを知るものも多くはないが、フロンティアーズの新たな歴史を刻めるか、富士通フロンティアーズの史上でも、最も重要な試合になることは間違いない。
フロンティアーズファンにとっても念願の社会人日本一を目の当たりにするチャンスとなるだろう。また、久しぶりの実業団対決で観客動員も期待できる。松下電工、富士通の社員の方は、是非とも会社を代表する選手達を応援しに行って欲しい。普段の職場以上のいきいきとした男達の姿を目にすることになるだろう。
文章:フロンティアーズOB 市浦 哲
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コーチ・選手のコメント
藤田ヘッドコーチ:
選手自身が分かっているのですが、自分たちは決して強くなく、ファイナルに出てくる他のチームに比べたら力が劣っています。せっかく、時間をもらったのだから「力をアップして次の試合に行こう」ということだけでした。みんながそれをよく認識してやった結果だと考えています。今日は、オフェンスもディフェンスも自分たちの思う通りに試合が運べました。こんなことはなかなかないと思います。とにかく、みんなが集中していいプレーができたこと、ひたむきにプレーしたことが良かった。もうJAPAN X BOWLまでは時間もないので、新しいことはできません。今までやってきた自分たちのフットボールを一段上のレベルで出来ればいいと思います。今日は寒い中、多くの方に試合会場まで足を運んでいただき非常に感謝しています。チーム状態は段々良くなってきており、決勝戦のJAPAN X BOWLでもいい試合ができるように一生懸命練習しますのでご声援、よろしくお願いします。
吉田選手(QB#19):
4週間ほど空いて長かったですが、練習で藤田ヘッドコーチや今井キャプテンがチームのモチベーションを切らさないような雰囲気を作ってくれたことや、チーム全員が強い決意を持って練習できたことが、この一戦まで気持ちを切らさなかった要因だと思います。今日の試合を振り返って、自分のプレーで一番印象に残っているのはロングランの場面です。ただ、タッチダウンまで持っていけなかったので、次、同じ場面があったらタッチダウンまで繋げたいと思います。今日の試合は、目の前の1プレーに集中し、遠い未来を見ることなく、過去に捕らわれることなく、とにかくひたむきなプレーが勝利に結びついたと感じています。こんなに多くの方々の前で、勝利という結果が出たのは本当に嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです!JAPAN X BOWLでは、今日よりさらに、1プレーに集中していくことが大切になりますので、集中力を切らさずがんばります。
鈴木選手(LB#45):
リーグ戦が終了し、実はオンワードスカイラークスが来るだろうと想定して、ファイナルの準備をしていました。なのでチームの焦点はしっかり定まっていました。ただ、ファイナルに進出したチームは、どこも常連チームばかりの中、我々FRONTIESは、常に挑戦者という気持ちを忘れないようにしました。FRONTIERSは、横綱相撲を取れるチームではないので、普段の練習からファンダメンタルを向上させていこうと意識しました。今日の試合では最初の良いプレーで乗れたので良かったです。相手は素晴らしい選手が多く、直ぐにでも得点できる能力を持っているので、先にアドバンテージを取れたのは大きかったです。今日の勝因は、最後の最後まで、たとえ点数を取られたとしても、集中力を切らす
ことがなかったことです。自分自身では、相手のオープンプレーでRBを止められたことが一番印象に残っています。JAPAN X BOWLでもチームとして出来ることは、いつもと変わらないので、とにかく集中することが大事です。決勝戦も強い相手なので、胸を借りるつもりで臨みます。応援よろしくお願いします。
平井選手(LB#13):
私の場合、シーガルズ戦の途中でケガをしてしまい、それ以来だったのでこの一戦へのモチベーションはかなり高かったです。(今日印象に残ったプレーは)いいプレーよりもミスしたプレーばかりを思い出してしまいます。今日はオフェンスが頑張ってくれたので、ディフェンスもやりやすかったです。ただ、最後に立て続けに得点を許してしまったので、それは反省しなければなりません。今日の勝因は、勝ちたいという強い気持ちです。それまで、長く辛い練習をしてきましたから、その分、勝利への気持ちも強固なものになったと思います。ここまで来たら、JAPAN X BOWLで勝ってライスボウルに行きたいです。がんばりますので、応援よろしくお願いします。















