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2007年 Final JAPAN X BOWL vs.松下電工インパルス戦レポート
| 試合日 | 2007年12月17日 | 会場 | 東京ドーム |
| 天候 | 晴れ | 観衆 | 17,629人 |
| チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
| 富士通フロンティアーズ | 6 | 0 | 7 | 0 | 13 |
| 松下電工インパルス | 17 | 10 | 6 | 0 | 33 |
富士通フロンティアーズと松下電工インパルスの頂上決戦は、17日夜、東京ドームで行われた。企業チーム対決とあって、両社の社員はもとより、富士通の黒川社長、松下電工の畑中社長もスタンドから、選手達の活躍を熱いまなざしで応援した。試合は、前半を27-6でリードした松下電工が、キッカー#9太田の着実なフィールドゴールで加点し、33-13で圧勝。松下電工は3年ぶり5度目の優勝を決め、1月3日のライスボウルで学生王者の関西学院大学と日本一をかけて争う。フロンティアーズは5年ぶりの2度目の決勝の舞台で初の社会人日本一を狙ったが、松下電工の強く厚い壁に阻まれ、そのチャレンジはまた来年以降へ持ち越しとなった。
試合は、松下電工のキックオフで開始すると、フロンティアーズオフェンスが小気味よくゲインしていく。オフェンスの体型をずらし、松下電工ディフェンスをかく乱したことが奏功したのか、ランニングバック(RB)#28進士や#20森本へのダイレクトスナップや、ワイドレシーバー(WR)#80米山のランを中心に、一気にゴール前まで攻め入る。ここでキッカー(K)#6小山のフィールドゴールが惜しくも外れ、先制点を逃す。このシリーズを得点に結び付けられなかったことが、後から振り返ると最後までリズムを掴めなかった一つのポイントとなる。松下電工ディフェンスが、フロンティアーズオフェンスにアジャストする前になんとか点を取りたかったのがフロンティアーズオフェンスコーチ陣の本音だろう。

続いて松下電工のオフェンス。前半はクォーターバック(QB)#8高田のスクランブルをフロンティアーズディフェンスが止められない。また、ランプレーもRB#20石野のオープンと、#1小林のインサイドのランが面白いようにゲインし、一度も3rdダウンコンバージョンを迎えずに(1stダウンか2ndダウンで10ヤードを獲得)タッチダウンをとられる。第1Q残り7分28秒で先制され、0-7。この最初の攻防が、この試合を象徴する形になった。
直後の松下電工のキックオフでリターナーの#80米山が痛恨のファンブル。フロンティアーズ陣20ヤード付近で松下電工の攻撃が再び始まる。これをあっさり5プレーで持っていかれ、あっという間に0-14とリードを許す展開となる。フロンティアーズは今シーズン、リーグ戦、プレーオフを通じて、14点のビハインドは経験が無い。経験のない若いチームが、この勢いに呑まれていく姿を、観客たちは「残り時間はまだたっぷりある」ことに救いを求め、ただただ見守るしかなかった。
これまで、フロンティアーズオフェンスを1年目ながら堂々と引っ張ってきたQB#18出原であったが、この日は緊張からかパスにもいま一つ精彩がなかった。なんとか早めに得点を入れたいフロンティアーズだが、WR#84久保田のパスや、#20森本のランなどで1度はファーストダウンを奪うものの、自陣から抜け出せずパントに終わる。このパントを松下電工#81塚崎がビッグリターン。フロンティアーズ陣42ヤードまで返されると、そのシリーズをK#9太田のフィールドゴールに繋げられ、0-17とリードを拡げられてしまう。
この日、一番富士通応援席が盛り上がったのが、その次のキックオフリターン。#80米山が、先ほどのファンブルの帳消しとばかりに、一気にエンドゾーンに駆け込みタッチダウン。第1Qは6-17でなんとか喰いついて行く形になった。
しかし、それ以降の松下電工のオフェンスを完璧に止める力は、この日のフロンティアーズディフェンスには足りなかった。DL#51倉品や#45鈴木の連続QBサックで3rdダウン残り23ヤードのシチュエーションを作るも、松下電工エースWR#7長谷川への絶妙なパスを通され1stダウン。最後も長谷川へのパスが決まり、あっという間に6-24と更に得点差を拡げられる。その後フィールドゴールを1本決められ、前半を6-27で折り返す。フロンティアーズは、オフェンスでのタッチダウンはゼロ。リーグ戦は堅い守りを誇ってきたディフェンスも、パントで終えたシリーズが一度もないまま、21点という大きい点差を残し前半を終了した。
後半、最初のキックオフで主将DB#21今井が松下電工#2霊山にハードタックル。ボールをファンブルさせると、それを#31斉藤がリカバー。敵陣25ヤードからの絶好のフィールドポジションを手に入れると、この日敢闘賞をもらったTE#87大矢へのパスがヒットし、タッチダウン。13-27とし、なんとか望みをつなぐものの、これがフロンティアーズの最後の得点となる。

結局、最初から続いた形勢は最後まで変わらず、フロンティアーズは13-33で関西の雄、松下電工に完敗。富士通フロンティアーズの新たな歴史に、日本一という文字は刻まれなかった。
そして、富士通フロンティアーズの練習場所が、今の下野毛に移って10年。ずっとチームを見守ってきた、12月20日で定年退職を迎える富士通下野毛グラウンドの管理人、戸張さんにも優勝を報告することはできなかった。
プレーオフが始まる前、藤田ヘッドコーチが選手達にこう言ったのを思い出す。「最後に笑うのは1チームだけや。それ以外は負けてシーズンを終わるんや。ここからのほうが厳しい戦いになるぞ」この厳しい戦いを経験したことは大きい。また来年、18チームのうち1チームだけが最後に笑う。その1チームに残るために各チームが凌ぎを削る。今年、フロンティアーズが見せてくれた「最後までやりきるフットボール」来シーズンはどんなチームになって帰ってくるか、今から楽しみでもある。
文章:フロンティアーズOB 市浦 哲
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コーチ・選手のコメント
藤田ヘッドコーチ:
みんな、よくがんばって力を出し切れたと思います。最後まであきらめずに出来たのが良かったです。ここに至るまでに、辛い練習を嫌がらずにやり続けたことが決勝戦へと駒を進めることにつながったと感じています。(今日の勝敗を分けたのは)やはりチームトータルとしての力の差だと思います。松下電工はスタッフも選手も全部含めて、経験が豊富ですし本当に強いチームです。しかし、我々も磨けば絶対に上に行けると信じています。これから日本一を取るためには、もうダメだと思える限界までやっても、さらにやることが必要になってきます。来年も続ける選手には、是非そういう思いで取り組んでほしい。ただ、今日の試合に関しては、誇れるし堂々と胸を張ってほしいです。今シーズンは、すごい成長曲線を描いてくれました。それが本当に良かったと思います。みんなの頑張りのおかげです。自信になるのではないでしょうか。特にオービックシーガルズの試合が、成長のひとつのポイントでした。それからシルバースター戦で負けた後も、気持ちが切れなかったことや、1ヶ月空いたファイナル6初戦に向けていい練習ができたことで、さらに成長できたと感じています。
今年のチームは終わりです。がんばったけど、このまま上には積めないでしょう。来年もう一度、地ならしをして、土台を広げて、より高い山が作れるようにしていきたいと思います。多くの観客のみなさんと優勝という感動を共有できなかったことは申し訳なく思っています。最後まで席を立たずに応援してくださったことは、チームとしてはうれしい限りですし、少しは選手の頑張りも伝わったのではないでしょうか。この一年間、応援していただきまして、ありがとうございました。
#37 伊藤選手:
今日の試合は、ディフェンスが同じプレーで何度もやられてしまい、まだまだだなと感じました。試合中は、良い所も悪い所もありましたが、33点も取られてしまったということは、ディフェンスが守りきれなかったことが、やはり敗因だと思います。自分自身も、試合中、少し迷いが生じる部分もありました。ただ、後半からは思いっきりやれましたし、ディフェンスも止められるようになってきました。最初から行ければ、面白くなっていたのではないか思います。この大舞台で、緊張してしまったという訳ではないですが、ズルズル行ってしまいました。このリーグ戦を通じて、それほどやられてはいなかったので、試合中にうまく切り替えができませんでした。また、相手のクオーターバックが想像以上にいいプレーをしてきたのも大きかったと思います。ディフェンスラインとオフェンスラインで、いい相乗効果が生まれていたと思います。練習でお互い切磋琢磨していけました。まだまだ課題はあるので、来年以降、がんばりたいと思います。今日はお忙しい中、2万人近くの方に足を運んでいただいて感謝しています。本当にうれしく思います。結果につなげられなかったのが残念ですが、切り替えて来年を迎えたいです。
#42 李選手:
力は出し切りましたが、負けは負けなので、もう来年に向けて頑張るしかないです。今シーズンは、ワールドカップで韓国代表としてプレーしたのが、いい経験となりました。それをチームでも生かせたと思います。今日の試合は、みんな、力を出し切ったので悔いは残っていないと思います。悔いが残った点を上げるとしたら、負けたことしかないでしょう。みんな、全力でプレーできたし、本当にいいチームだと思います。来年のシーズンは、テクニックやスピードなど、もっとレベルアップして、もう一度このフィールド(決勝戦)に戻ってきたいと思います。これからもフロンティアーズの応援してください!よろしくお願いします。
#45 鈴木選手:
今日の試合は、やはり最初に負ったビハインドを取り戻しアップセット、という感じでやっていました。リーグ戦を通した戦い方だったら、うちが先制パンチを喰らわして流れに乗って、という形だったのですが、今日は逆に喰らってしまい、終始追っていくことになってしまったのが反省点です。自分自身のプレーに関しても、いいコール(サイン)を出してもらっていたのにも関わらず、その期待に応えられなかったことが、いくつかありました。それは、自分の中では悔いが残っています。今シーズンは、漠然と日本一を目指すというよりは、自分たちのチームが置かれている状況や、修正すべき点を上げて一つずつ潰していって、がむしゃらに取り組んだことが結果につながったと思います。今は終わったばかりなので、これからゆっくり考えたいですが、決勝戦でこれだけの点差をつけられてしまったので、来年こそは飛躍の年にしたいと思います。今日はたくさんの方に応援に来ていただいて、本当に感謝しています。来年こそは優勝できるようにがんばりますので、春の試合から応援よろしくお願いします。
#80 米山選手:
自分の甘さが出た試合です。ハンドリングの悪さを練習のときからヘッドコーチに指摘されていたのですが、大事な一戦で出てしまったことは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。今シーズンはチーム全体が成長し、自分もチームの勢いで波に乗れた部分もありました。ただ、自分の成長よりもチームの成長が著しかったので、本当に悔しい思いが強いです。来年シーズンに向けては、今年の自分のプレーを振り返って、まずは自分の気持ちを整理するところから始めたいです。そして、来年どう取り組んでいくかを考え直したいです。今日は遅くまではありがとうございました。結果は負けてしまいましたが、試合中の声援に勇気づけられましたし、富士通の一体感を感じられました。今後ももっと応援していただけるように、フロンティアーズを強くしていきたいです。
#87 大矢選手:
やらなければいけないオフェンスコントロールができなかったのが、一番残念なところです。ターンオーバーをスペシャルチームが後半の一発目でやってくれました。あそこは是が非でも、タッチダウンを取らなければいけないところだったので、得点に結びつけられたのは良かったです。昨日は、久しぶりに緊張しましたが、いざドームに来て、チームメートといたり話しているうちに、「私たちがやらなければいけないことは、1プレーに集中することしかないんだ」ということに立ち返って、試合前もいい意味でテンションが上がっていきました。シーズン通じてブロッキングは、ラインとタイトエンドチームが縦に押すというイメージをすごく持てました。今までは相手が重たいラインだとロス上で抑えられたりしました。それが1ヤードでも2ヤードでも前に押すというイメージがタイトエンドチームにも持てたので、ランプレーではいろいろな体形からランアタックができたと思います。本当にこれだけの暖かい応援をいただいて感謝しています。結果はついてきませんでしたが、この悔しさをバネにして、来年はもっと成長したフロンティアーズをお見せしますので、これからも応援よろしくお願いします。














