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試合レポート

| 試合日 | 2008年10月18日 |
|---|---|
| 天候 | 晴れ |
| 会場 | 川崎球場 |
| 観衆 | 1,585人 |
| 富士通 フロンティアーズ |
アサヒビール シルバースター |
|
| 26 | ‐ | 13 |
| チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
|---|---|---|---|---|---|
| 富士通フロンティアーズ | 13 | 3 | 0 | 10 | 26 |
| アサヒビールシルバースター | 0 | 0 | 7 | 6 | 13 |
| TEAM | Q | TIME | PLAY | PLAYER(S) | YARD | TFP | PLAYER(S) | G/NG |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 富士通 | 1 | 06:39 | PASS | #19 吉田 →#17 秋山 |
9 | KICK | #10 後藤 | NG |
| 富士通 | 1 | 10:58 | RUSH | #19 吉田 | 41 | KICK | #10 後藤 | G |
| 富士通 | 2 | 08:36 | FG | #10 後藤 | 32 | G | ||
| アサヒ | 3 | 10:03 | PASS | #8 三原 →#83 稲垣 |
13 | KICK | #10 山口 | G |
| 富士通 | 4 | 01:19 | RUSH | #20 森本 | 21 | KICK | #10 後藤 | G |
| 富士通 | 4 | 04:57 | FG | #10 後藤 | 23 | G | ||
| アサヒ | 4 | 11:01 | PASS | #8 三原 →#88 橋詰 |
13 | PASS | NG |
注目の第4節、フロンティアーズにとってもアサヒシルバースター(以下、シルバースター)にとっても負けられない一戦は、1Qに2本のタッチダウンで先制したフロンティアーズが終始ゲームを支配し、26-13で完勝。ここまでの成績を4勝0敗とし、最終のオンワードオークス(以下、オークス)戦の結果を待たずして、2位以上が確定。最初の目標であるプレーオフ出場が決まった。負けたシルバースターは昨年に引き続き、プレーオフ出場を逃した。
フロンティアーズK(キッカー)#1小山のキックオフで試合開始。今日のキッカーはキックオフとパントを小山、FG(フィールドゴール)とTFP(タッチダウン後のキック)を#10後藤が任される。

シルバースターのQB(クォーターバック)は、予想通り昨年ライスボウルで活躍した関学OB、新人の#8三原。長い間シルバースターの司令塔として活躍した名QB金岡選手の番号を引き継いだ形となり、期待の高さが窺える。三原選手は、フロンティアーズQB#18出原の後輩、WR(ワイドレシーバー)#17秋山の同期であり、関学時代の三原から秋山へのパスは、ホットラインとして関学オフェンスをリードしてきた。この2人の盟友が川崎球場に舞台を変え、いまや対戦相手として、フィールドにたっている。この2人と同じような関係が、前出のフロンティアーズQB出原とシルバースターWR#17中島だ。かつてのチームメイトが敵として戦うシーンは、Xリーグでもあちこちで観られるが、この4人の関係ほど興味深い例は他にないだろう。
さて、シルバースターは最初のシリーズ、9プレー中7プレーをパスに費やし、フロンティアーズディフェンスを揺さぶってきた。ここでシルバースターQB三原は#17中島をターゲットとして2回連続パスを決めたが、これ以降中島がパスを捕球することはなかった。この予想外にパス中心に攻めてきたシルバースターオフェンスに対し、フロンティアーズディフェンスは慌てずに対処し、2回のファーストダウンを奪われるものの、フロンティアーズ陣35ヤード付近でパントに追い込んだ。シルバースターは結局試合を通じてパスを中心に攻めてきたが、このシルバースターのゲームプランに対してフロンティアーズにとっては良い流れを作ることになる。
シルバースターの最初の攻撃を抑えたフロンティアーズは、QB#18出原、#19吉田率いるオフェンスがラスト2ミニッツかのような攻撃で、ペースをつかむ。


怪我でエース進士を欠いたランプレーを、まずはRB(ランニングバック)#29平澤が託されるが、強力シルバースターディフェンスの前にまったく前進できない。しかし、今日の試合通じて効果的だったのが、QB#19吉田のスクランブルラン(パスを投げられなくて自ら持って走る)と、はじめから決めて走るドロー(パスと見せかけてのQBのラン)。そして#88河瀬、#80米山らへの短いパスと、長身#17秋山へのふわっと浮かせたロングパスで一気に先制点を奪った。球は完全に浮いていたが、シルバースターDB(ディフェンスバック)に対し、身長差で上回り、球際が強い秋山をあてることで、ミスマッチを狙ったプレーだ。これはよく相手を研究した「作戦の勝利」であろう。
逆にシルバースターディフェンスは、おそらくゲームプランどおりにランを完璧にとめ、DBもきちんとWRについていたのにも関わらず、得点されるという、対応が難しい失点だったと思う。タッチダウン後のキックはスナップとの呼吸が合わず、相手にブロックされ失敗。1Q6分半にフロンティアーズは6-0とする。
最初のシリーズで得点し、理想的な形で先制したフロンティアーズは、ディフェンスでも流れを作る。要所でLB(ラインバッカー)#45鈴木、DL(ディフェンスライン)#13平井のQBサックや、DB#26植木のインターセプトなどのビッグプレーが飛び出し、前半残りの4シリーズをファーストダウン1回と、ほぼ完璧にシルバースターオフェンスを抑えた。


この堅守に応えたいフロンティアーズオフェンスは、2シリーズ目でQB吉田の足で得点を重ねる。パスを投げられないとみるや、スクランブル発進し、41ヤードを走りきってタッチダウン。キックは決まり、13-0とリードを広げる。
このあとは、RB#20森本のランとショベルパスが効果的にゲインしはじめ、TE(タイトエンド)#87大矢、#89植田への短いパスなどで相手陣へ攻め込み、最後はK後藤の32ヤードのFGが決まり3点を追加。16-0と完全にフロンティアーズペースで前半を折り返した。
ハーフタイムで藤田ヘッドコーチは、「ゲームの流れはどうでもいい。今の一瞬、一瞬に集中しろ。それだけや。」と、選手達に集中力を切らさないように声をかけた。シルバースターとの対戦は過去にも多くあるが、前半大きくリードして、後半一気に逆転される試合を何度も経験しているOBは、この16点差は必ずしもセーフティリードではないことはわかっている。とにかく後半「先に点を取りたい」、あたりまえのことだが、特にシルバースターが相手であるとその想いは強くなる。
しかし、後半の先取点は、残念ながらシルバースターだった。フロンティアーズオフェンスは2回連続のフォルススタートという不用意な反則で陣地を大きく後退し、フロンティアーズ陣45ヤードからシルバースターに攻撃権を渡してしまう。このピンチにフロンティアーズディフェンスは、パスを4本繋げられ、最後はベテランWR#83稲垣へのパスであっさりとタッチダウン。シルバースターは1点のキックを選択し、確実に追撃。3Q10分に16-7とされる。
前半、自分達のペースで進んだ試合も、無駄な反則で大きく流れが変わることがあるが、試合に勝ったからいいものの、ここはまさにそうなり兼ねないポイントだった。
このシルバースターにいきかけた流れを、もう一度引き戻したのは、ベテランRB#20森本。得点されたあとのシリーズで#4松林、#80米山のパスなどで敵陣に攻め込むと、最後はQB出原からピッチを受けた森本が、20ヤードを走りきってタッチダウン。23-7として、再び16点差に戻した。

Xリーグにおいて5年連続リーディングラッシャーという、この先これを抜く選手は現れないだろうという記録をうちたてた、かつてのエース、森本が往年の走りを取り戻しつつある。
12月で36歳になる彼の身体は、彼のたゆまぬ努力により、チーム内でもトップクラスのスピード、パワーを有する。彼のフットボールへの取り組み姿勢をみて育つ後輩も多いというが、エース復活として活躍してもらわねばならない。
森本いわく、「今のコンディションは数年前と変わらない。オフェンスラインとのタイミングがあえば、昔のように走れる」と自信を覗かせる。
4Q5分には、すっかり安定感を増した後藤がFGを追加し、26-7とリードしほぼ試合を決定付けた。最後は長いパスを警戒したディフェンスが短いパスを繋げられ、1本タッチダウンを許すものの、ファイナルスコア26-13と、強豪シルバースターに危なげなく勝利した。
試合後藤田ヘッドコーチは「最後まで集中力を切らさなかったことは良かった。しかし、良いこと、悪いことを整理して、成長を続けていかなければ先はない」と、選手達をねぎらうとともに、その先の目標をしっかりと見据えていた。
試合の結果や全体的な流れほど、楽な試合ではなかった。特にシルバースターのディフェンスは予想通り強力で、フロンティアーズのオフェンスラインはかなりてこずっていた。これから先はさらに強い相手が続く。特に若い選手が集まるオフェンスラインにはぜひともこの機会に大きな成長を期待したい。これからの正念場をのりきれば、若いだけにこの先、飛躍的に戦力が上がる可能性もある。
今年、新戦力が加入し、例年以上に強いと評されるオークスに対して、どこまで戦えるか、最終節のみどころも満載だ。
文章:フロンティアーズOB 市浦 哲
藤田ヘッドコーチ
今日の試合は、選手たちが伸び伸びとプレーしていたことが、一番よかったですし、うれしかったですね。練習していたことがそのまま出せました。ああいう感じでプレーができたら、勝機があるかなと思っていました。試合前に、「いつも通りやろう。自分たちらしく、プレーしよう。試合の結果云々ではなく、自分たちらしくできたらいい」と言っていたのですが、まさに「自分たちらしさ」というのが出た試合でした。
戦うにつれて、いろんなプレーができるようになってきましたし、それを今日、発揮できたことが、よかったです。これからも強敵との対戦になりますが、ある試合は、全部勝ちます。次もいい準備をして、臨みたいです。「日本一」という大きな目標もありますが、とにかく、目の前の一戦一戦を大切にしたいと考えています。
今日もお休みのところ、応援に来ていただきまして、ありがとうございます。みなさんに喜んでいただき、何かを感じ取っていただけるような試合をしますので、次も応援よろしくお願いします。
#1 小山 真選手
まだまだというのが率直な思いですね。ケガをして、この試合から合流し、自分にとっての初戦となりました。もともとここの試合に合わせて、ケガを治していた部分があったので、ここはどうしても出なきゃいけないと思っていました。本当は、もう少し思い描いていたプレーを出していきたかったのですが、試合勘を取り戻しながらやっていたので、なかなか上手くいかない部分が多かったですね。
ただ、後藤(大地)と二人でやれることにより、役割がきっちりと棲み分けできていて、やりやすさというものはありました。お互い、集中する場所がはっきりしますので。
これからの大事な戦いでは、流れを変えるプレーをしたいですね。点が絡んで勢いに乗ったり、パントが飛んで流れが変わったり…と、キック一本でゲームの流れを変えられるプレーができたら、最高ですね。これからも勝ち進んでいきますので、引き続きよろしくお願いします。
#5 青木 悠二選手
この日に向けて、みんな、一生懸命がんばってきました。気負うことなく、いつも通りやろう、と言っていたが出たのがよかったですね。私自身も、これまでの3戦と変わらず、気持ちを高めて、試合に臨めました。
(今までを振り返って)1戦1戦、すごく力をつけてきていると感じています。やりたいことも、やるべきこともともにできているので、結果につながったのではないか。
今日勝ったことで、FINAL6に行けることになりましたが、オンワードも強敵なので、そこに勝って、さらに力をつけた状態で、FINAL6に挑みたいと考えていますので、またがんばります。
いつも声援で、力をたくさんもらっています。これからオンワード、そしてFINAL6が残っていますが、みんなで一丸となってがんばりますので、これからも応援、よろしくお願いします!
#17 秋山 武史選手
試合前半は、練習通りのことができたので、よかったのですが、後半は、反則などがあり、自分自身のプレーが出せず、課題も残りました。ただ、チームが勝てたことはよかったです。
(ヨーロッパ遠征が)活かせている、と大きくは言えないですが、意識はするようにしています。ヨーロッパで学んだのは、駆け引きという部分が大きかったんです。社会人のDBも、学生のころより強いので、駆け引きが重要になってきます。練習から意識するようにしていますが、意識すると自然と試合でも出てくるな、と改めて実感しました。
(FINAL6の切符を手にし、これから強敵との対戦が続きますが)タッチダウン取れるプレーというのが自分のいいところなので、ボールをもらったら、エンドゾーンまで行けるようにしたいです。
毎回、みなさんの応援で、力をもらっています。その応援に応えるためにも、日本一目指して、頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。
#19 吉田 元紀選手
(今日の試合)よかったところもありましたが、悪いところもたくさん見えました。ただ、この試合でそれに気づけたことは大きかったです。これからの練習で、よかったところはもっと伸ばし、逆に課題となった部分や悪い癖は、直していきたいですね。
どのチームが相手であれ、やろうとしていることは、そんなに変わりはないです。みんなで「1プレー、1プレーきちんとやっていこう」という意識は持ち続けています。おそらく、相手が非常に強いだけに、やっていて楽しいと思えているのではないか。その中で、いいプレーが出ると、自然と盛り上がりますし、楽しめているからこそ、普段通りのプレーができ、結果がついてきたかなと。
これからも強敵と対戦できるので、非常に楽しみですね。次の試合を通じて、みんなが成長していければ、FINAL6行ったときに、もう一段レベルが上がっていると思います。
みなさんに観戦していただき「よかった」と言ってもらえるようになれば、うれしいです。私たちも、たくさんの方に見ていただければ、テンションが上がりますし、力となります。これからも、もっと喜んでもらえるようなプレーを心がけていきたいです。
#57 白木 栄次選手
(FINAL6を決めたのは)めちゃくちゃうれしいです! すごく緊張していましたが、藤田さんが試合前に「いつも通りやろう」と言ってくださったことで、みんな落ち着いたように感じました。練習でやっていたことがそのまま出たのも、その落ち着きがあったからだと思います。私自身もいいイメージで試合に臨めたので、かなり満足しています。今年、OLは一番しんどい練習をしてきたと自負しています。居残り練習などの成果が、結果に出ました。
(今日の試合では)オフェンスのメンバーで、勢いに乗るところで、みんなでハドルブレイクをやろうと決めていました。そしたら、観客のみなさんからも拍手が出ていて、すごくうれしかったですね。
これからも相手がどこであれ、基本的には、私たちのやることは変わりません。今日の試合とプレー、気持ちともに変えず、今の勢いのまま、向かっていきたいです。
(川崎球場は)アサヒシルバースターのホームグラウンド(練習場)なのですが、相手以上に、応援の方々が来てくださっていたことに驚きとうれしさを感じました。みなさんからの拍手や声援などが聞こえ、すごく後押しされました。
絶対に日本一になります! 応援してくださるみなさんと、「ONE FAMILY」となって、戦っていきたいです。