富士通

 


試合レポート

Xリーグ 2008年 秋季リーグ戦 第5節
vsオンワードオークス戦レポート

試合日 2008年11月3日
天候 くもり
会場 横浜スタジアム
観衆 3,548人
富士通
フロンティアーズ
  オンワード
オークス
28 34
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
富士通フロンティアーズ 7 0 7 14 28
オンワードオークス 6 7 14 7 34

得点経過

TEAM Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TFP PLAYER(S) G/NG
オークス 1 02:59 FG #3 岩崎 23     G
オークス 1 07:08 FG #11 西村 27     G
富士通 1 09:31 RUSH #20 森本 1 KICK #10 後藤 G
オークス 2 08:47 RUSH #2 宮幸 3 KICK #3 岩崎 G
オークス 3 00:16 KOR #20 杉原 86 KICK #3 岩崎 G
オークス 3 05:25 RUSH #4 菅原 1 KICK #3 岩崎 G
富士通 3 09:18 PASS #18 出原
→#80 米山
8 KICK #10 後藤 G
富士通 4 06:31 PASS #18 出原
→#4 松林
18 KICK #10 後藤 G
オークス 4 09:39 RUSH #10 小島 1 KICK #3 岩崎 G
富士通 4 11:44 RUSH #20 森本 1 KICK #10 後藤 G

ディビジョン優勝をかけた富士通フロンティアーズとオンワードオークス(以下、オークス)の宿敵対決は、最後までもつれる試合となったが、終始ゲームを支配したオークスが34-28で勝利し、フロンティアーズは2位となった。優勝したオークスは、試合後の抽選でシードを獲得し、準決勝からの登場となった。フロンティアーズは準々決勝でセントラルディビジョン優勝の鹿島ディアーズと対戦し、勝てば準決勝でウエストディビジョン優勝のアサヒ飲料チャレンジャーズとの対戦となる。

やはり、この2チームの試合はいつ観てもおもしろい。プレーオフ(FINAL6)を睨んだ手探りの試合という心配はまったく必要なく、両者ともトーナメントの如く最後まで勝ちへの執念が感じられた試合であった。

前半、フロンティアーズはRB(ランニングバック)#20森本のランプレーを軸に攻めようとする。

しかし、QB(クォーターバック)#19吉田の自ら持って走るランプレーや、#18出原のスクランブルなど含めて、すべてのランプレーをオークスディフェンスに阻まれ、パスを見せることなく最初の2回のオフェンスシリーズを3&アウト(3回の攻撃)で終える。オークスディフェンスは、いつになくと言ったら失礼かもしれないが、リーグ戦の他のどの試合より気合が入っているように見え、集中力もあった。

一方オークスオフェンスは、QB#10小島が怪我から回復し、3人のQBが揃った。そして、フロンティアーズのお株を奪うようなQBの起用方法。#4菅原、#13冨沢、#10小島の3人のQBがプレーごと、シチュエーションごとに目まぐるしく交代してくる。この試合、最大の注目ポイントであった、オークスオフェンス対フロンティアーズディフェンスは、このオークスの3人のQBが、フロンティアーズディフェンスを、試合を通じて翻弄した形となった。
最初のシリーズは、スタートQB#4菅原がパスを成功させたあとの2ndダウンのプレーで、交替したQB#10小島がRBにボールを渡したふりをして、自分で40ヤードを走り富士通陣10ヤード付近まで一気にゲインを奪う。フロンティアーズディフェンスのエンジンがかかる前に、オークスが流れを掴むのには充分なプレーであった。
しかし、今季調子の良いフロンティアーズディフェンスも、そう簡単には点をとらせない。DB(ディフェンスバック)#8安田のパスカットなどもあり、FG(フィールドゴール)の3点に抑える。さきほどのQB#10小島のロングゲイン以外はある程度ストップできていたためか、3点とられた富士通ベンチのほうがむしろ盛り上がっていた。しかし、富士通にとってはこれが今シーズン、初めてとられた先制点でもあった。
次のオークスのオフェンスシリーズで、フロンティアーズディフェンスは再度ピンチを迎える。フロンティアーズ#10後藤のパントを、オークスリターナー#20杉原が73ヤードのビッグリターン。富士通陣10ヤード付近からオークスの攻撃が始まる。このピンチを、再びFGに抑えたのは、DB#26植木のランサポートと、LB(ラインバッカー)#99中里のQBサック。

またも富士通ベンチは点をとられながらも沸きかえり、「よくやった」と互いにハイタッチするシーンは、点を入れたオークスベンチよりも確実に上回っていた。
このたてつづけに得点を奪われた状況下でも、気持ちの持ちようでそのあとの流れを引き戻せることは、どのような勝負ごとにもあてはまるのではないだろうか。
偶然かもしれないが、直後のフロンティアーズオフェンスは、今まで1stダウンが奪えなかったのが嘘のように2分半でタッチダウンを決める。QB#19吉田からWR (ワイドレシーバー)#4松林へのプレーアクションパス(ランプレーのふりをしたパスプレー)で一気に敵陣ゴール前まで攻め入ると、最後は#20森本が走ってタッチダウン。#10後藤がキックも入れて、7-6と、フロンティアーズはディフェンスが耐えてFG2本に抑えたおかげで、タッチダウン1本で逆転できたのである。

しかし、オークスのオフェンスはこれで沈黙しなかった。2Q残り10分あたりの攻撃では、約7分を使ってRB#31杉澤、#2宮幸のランプレーを軸に90ヤード近くをドライブする。この試合、フロンティアーズディフェンスが、ここまでランプレーを止められないとは予想外であったが、オークスとしてはゲームプラン通りであったのだろう。TE(タイトエンド)を2枚にしてラインを増やし、ギャップ(RBが走る穴)を広げる。1stダウンのランプレーでコンスタントに7~8ヤードをゲインされると、さすがのフロンティアーズディフェンスも守り方が難しい。どれだけオークスが攻撃に時間を費やしていたかが、試合を通じてのタイムオブポゼッションという指標に表れる。4Q全48分のうち、オークスの攻撃がおよそ27分、フロンティアーズが21分である。
このシリーズ、タッチダウンまで残り6ヤードとなったところでフロンティアーズベンチは勝負どころとみたのかタイムアウトをとり、フィールド上の11人全員を集めての円陣を組む。ここをFGに抑えれば、逆転は許すものの、序盤2シリーズ同様チームの士気もあがり、オークスにもオフェンスの手詰まり感を植えつけることができる。
しかし、オークスはQB#13冨沢のキープと、#2宮幸のランで、鉄壁を誇るフロンティアーズディフェンスをこじ開け、この試合初のタッチダウン。得点を13-7と再逆転。FG2回で不完全燃焼だったオークスオフェンスが、「やれる!」と思わせたシリーズだったのではないか。

さらにオークスは前半最後のシリーズ、オークス陣24ヤードから怒涛の攻撃でフロンティアーズを引き離しにかかる。ここで点を取られれば後がなくなるフロンティアーズは、DL(ディフェンスライン)#13平井、#92一木のサックなどでここ一番の集中力を発揮。

このシリーズを無得点に抑え、前半を7-13で折り返した。
試合内容からみて、この6点差のビハインドは、上出来といえた。
前半最後のシリーズを抑えたことは、結果的に負けたものの、「いい試合」にしたポイントであったと思う。

後半、この試合を決めたといえるビッグプレーがオークスにでる。
フロンティアーズ#10後藤のキックオフを、オークスリターナー#20杉原が86ヤードを走りぬけ、タッチダウン。前半パントリターンで73ヤードを返された同じ相手に、合わせて160ヤードを献上したフロンティアーズのカバーチームの原因究明は、日本の景気回復と同じくらい急務だ。
細かい原因はチームで分析してもらうとして、途中でカバーチームの足が止まっていたことが最大の理由だと断言する。誰であったか定かではないが、最初の1人、2人が杉原にタックルしかけ、一瞬彼(杉原)の動きがとまった。フロンティアーズの選手達もそれをみて安心したのか、動きが緩む。しかし完全に倒されていない杉原は、そこからトップスピードで走り出す。一度動きがとまったカバーチームに彼を止めるスピードは残っていなかった。
前節のシルバースター戦では完成度が増したと思ったキッキングチームだったが、前言撤回。「やりきる」をテーマにやってきたフロンティアーズの「やりきれていない」シーンだ。
「笛がなるまで全力でプレーする」ことがいかに大事か、改めて感じさせられたプレーであった。

完全に流れはオークスにいき、次のフロンティアーズのオフェンスは3&アウト。第3Q残り6分30秒にはオークスQB#4菅原にタッチダウンを決められ、7-27。

フロンティアーズがここからファイナルスコア28-34に追い上げた要因は、オークスオフェンスが守りに入ったことだ。時間を消費するためにランプレーを更に多用してきたことは、パスもこわいフロンティアーズディフェンスにとってはかえって守りやすくなり、2シリーズ連続でパントに追い込む。
そして、本来得点力のあるフロンティアーズのオフェンスは、ようやく目を覚まし始める。ここでキーになったのが、RB#20森本。彼のオープンプレーでリズムを掴み、最後は、WR#80米山、次のシリーズではWR#4松林がタッチダウンパスを受け、14点を一気に詰める。21-27。第4Q残り5分、タッチダウン1本で逆転できる点差まできた。

しかし、守りに入って攻めが単調になっていたオークスオフェンスは、再度バランスよく攻撃をしはじめると、この試合キープレーともなったQB#10小島のランでダメ押しともいえるタッチダウンを奪う。21-34。残り2分20秒から2本のタッチダウンを狙うフロンティアーズはWR#80米山、#88河瀬にパスを集め、#20森本がこの日2本目のタッチダウン。28-34。

フロンティアーズの最後の攻撃権を奪うためのオンサイドキックは、オークスが押さえ、万事休す。

ライバルとの激闘は力及ばず試合に負けはしたが、見えてきたことも多い。成長するいい機会だろう。点差をつけられ、追い詰めたことはこれから更なる強豪との対戦を前に非常にプラスである。
今まで相手にリードを奪われたことがなかったフロンティアーズには良い経験だ。それからキッキング。これはひとつのプレーが試合を決めることも多いゆえ、次の試合への準備として、かなりの時間を費やしてもいいと思うのは私だけだろうか。
オークスにリベンジできる可能性はただひとつ。決勝まで残ることだ。

文章:フロンティアーズOB 市浦 哲

コーチ・選手のコメント

藤田ヘッドコーチ
前半、ワンサイドに傾きかけた試合をディフェンスがよく頑張ってくれました。それにより、オフェンスも調子を取り戻す時間をもらったかと思います。そういう意味では、よくないゲームだったかもしれませんが、悪い状況でも、集中力を切らさず、プレーができたのは、よかったです。
本当は、シードを取って、FINALに行けるのがベストでしたが、負けは負けなりに、学ぶことも多いですし、負けてみないと実感できないこともあります。今日は、いい面も出たし、未熟な面も出たので、そのまま受け止めて、次につなげられるかなと思います。

(これから、さらに厳しい試合が続きますが)
だからといって、自分たちができることは変わりません。次もいい練習、いい準備をして、一歩でも成長して、試合に臨めみたいです。

(今秋のリーグ戦を通して、チームに変化は見られますか?)
チーム力も上がってますし、メンタル面もタフになって、たくましくなっているので、去年よりも力がついていますね。
これからの戦いは、どのチームも強く、タフな試合が続きますが、去年より上を目指してやってきているので、自分たちの力を全て発揮して、いい結果を出せれば、いいと思います。
チームも非常にまとまってきていますし、元気のいいメンバーも揃っているので、フィールドはもちろん、サイドラインの頑張りも含めて、ぜひ見てください。

#4 松林大樹選手
(今日の試合、ロングパスをキャッチして、チームにいい流れを持ち込んだように思いますが)
キャッチまではよかったのですが、イエロー(反則)を出してしまったのは反省点です。もし、普通にタッチダウンをして、いいフィールドポジションから、ディフェンスが守れていたら、また次の展開が変わっていたと思うので。

(初めて、社会人のリーグを戦いましたが、この秋の戦いで自分の持ち味は出せましたか?)
まだ藤田ヘッドコーチから要求されていることには、応えきれてないと感じています。自分の個性を出していけるようになりたいです。また、新人だからといって、相手が手を抜いてくれるわけでもないですし、ミスをしてもいいというわけでもありません。一Xリーグの選手として、結果を出していきたいです。FINALでも、自分のできることを確実にやって、結果を残したいです。寒い中たくさんの方に来ていただき、みなさんからの声援が力になりました。これからも応援、よろしくお願いします。

#8 安田恭平選手
今日は、特に仕事ができたとか、できてないとか、一言で簡単に言い切れない試合となってしまいました。ディフェンスがズルズル行かれてしまったときに、何とか耐えたかったんですが、その役に立てていなかった。最低限の仕事をするだけでなく、流れを変えるプレーをもっとしたいです。

(今秋のリーグ戦を振り返ると?)
個人的には、去年の反省を生かして、今の時期にピークを持ってくるように調整しているのですが、それはうまくいきました。ただ、次に勝たないと、全てが終わってしまいます。今回、リーグ戦で初めて、追いかける展開だったので、それをいい経験としていきたいです。

今日も寒い中たくさんの方々に応援に来ていただいていて、うれしく思っています。スタンドの盛り上がり方を見る限り、フロンティアーズのお客さんが一番楽しんでいただいているように感じています。その盛り上がりが力になります!これからも一緒に戦っていきましょう。

#80 米山晃嗣選手
やっぱり悔しいですね。オフェンスがもっとうまく回っていれば…と思いました。試合は拮抗していて、緊張感があったのですが、自分自身はあまり調子が良くはなかったので、思い通りのプレーができませんでした。
(これから、さらに厳しい戦いが続きますが)FINALに行っても、また、どのチームと対戦しても、やるべきことは変わりません。チームも、自分自身も、力を発揮できるように準備をしていきたいです。

(リーグ戦振り返って)
短いところで、きちんとボールをもらえているので、ランアフターはできている点は良かったかなと。逆に、ブロックやファンダメンタルをしっかりしたい。全体的にレベルアップが必要ですね。
休日にも関わらず応援に来ていただきありがとうございます。絶対に負けないで、日本一になりますので、引き続き応援よろしくお願いします。