
掲載日:2008年11月27日

2年連続のFINAL進出。FINAL6では、鹿島ディアーズ相手に惜敗し、2008年のシーズンは終了したが、フロンティアーズは、着実に成長を遂げている。選手たちの努力もさることながら、それを支えるコーチ、スタッフも欠かすことができない存在である。
選手たちとは少し違った目線から、フロンティアーズ進化の理由に迫っていきたい。前回に続き、ヘッドトレーナーの大隈重信に話を聞いた。
— 今年、チームが変わったな、と思えることはありますか?
トレーナーの観点からすると、ケガ人が圧倒的に減ったことと、新たに導入したシステムがフィットして身についたことでしょうか。
今年からこのチームでやっていますが、来るにあたり聞いていたのが、ケガ人が多いこと。それにより練習を積めなかったり、試合でメンバーが組めないこと。それをどのようにして、いい方向に持って行くのか、ということで、全員に筋力アップをさせました。必ず、全員ができる環境を作りたかったんです。基礎練習を継続的に、そして徹底的にコーチ陣にやってもらいましたので、圧倒的にケガ人が減ってきていますね。
最初は新たなシステムを導入して、戸惑っていた部分もありましたが、この夏くらいからは、当たり前になってきた。新人たちは、それしか知らないのですが、非常にうまくハマってくれているかなと。
— その新人ですが、すごく活躍していますよね。
そうですね。いい選手が入ってくれたと思います。実力重視ですから、きちんと競争ができ、いい選手を使う、という状態になっていますよね。
— とくにこの選手、成長したな、という選手はいますか?
どうですかね。まだ半年ですしね。ただ、個人というよりは、全体的に成長しているように感じています。チーム全体で一つのものを追いかけている、というのがより強く感じられるようになったかなと。
— フロンティアーズに来る前と後で、印象って変わりましたか?
それほど違いはなかったですね。別のチームにいるときも、練習試合で対戦していますし、相手チームの選手に、元チームメイトだったという人がたくさんいますので、いろんなチームの話はどこにいても聞くことができます。みんな、本当によく知っているなと思いますね。
あと、私が全日本のトレーナーにもなっているので、一回でもジャパンのメンバーになっていれば必ず見ているんです。なので、だいたいフロンティアーズの選手ってこんな感じだなと分かっていました。
— そのフロンティアーズの選手ってどんな選手たちですか?
うまいという印象があります。当たっても体のダメージがない。裏返せば、相手へのダメージがないということになります。筋力の問題だと思っているのですが。そこをみんなで底上げしようとしています。
あと、少し守られていてわがままな一面があったりもしますね。クラブチームのように、弱ければ補強をするというわけではないので、競争が生まれにくい。ただ、今年は新人が試合に出ていることからも分かるように、その競争というのは出てきているとは思います。
それから、何でもやってもらえる環境にあったので、そこはシンプルに大人の付き合いをしています。もしかしたら、それが選手にとっては一番変わったことかもしれませんね。
— 自分たちでやらなきゃと思うと、自然とプレーにも出てくるのでは?
難しいところではありますよね。トレーナーは、縁の下の力持ちとして、やってくれと言われたら、思わず駆け寄ってやってしまう。またそれが、楽しいんですよね。ただ、決して、選手がいい方向には進むとは限らないので、そこはうまくセーブできるようにしています。といっても、これでも妥協していますけどね。
なので、少し居心地の悪さがあるかもしれない。トレーナーの方々は、私が言ったことを理解するのも難しいというときがあるかもしれません。なので、いろんな勉強資料を持ち込んで、空いた時間にレクチャーしたりしています。
— チームは着実に力をつけてきたように思いますが、リーグ戦を通じて、どのようなことを感じていらっしゃいましたか?
まだ、チームには課題がいっぱいあると思います。今年は、コーチ陣がベーシックということを言ってました。基礎練習をしっかりやろうと。自分がそれをしっかりできたか、できなかったかということに目標を置いてきました。大差で勝っても、個人個人で課題をクリアできていなかったら、ダメなんですよね。
今秋のリーグ戦では、1戦目から3戦目までは、圧勝できたものの、コーチが求めるものをそんなに高いレベルではできていなかった。4戦目こそやり遂げようとしてうまくできた。それが、たまたまシルバー戦だったというだけです。
なので、シルバーに勝ったというよりは、あのときは、やっと目標としていたことができました。5戦目のオンワード戦では、勝敗にポイントが行ってしまって、今まで意識していたことができなかった可能性がありますよね。そう考えると、もう一度自分たちがやるべきことを再認識する必要があります。自分が何をすべきか。何ができたか。もう一度振り返ることで、自然と結果がついてくると思います。
インタビュアー・ライター:長富 怜子