
掲載日:2008年12月17日

フロンティアーズディフェンス陣の最前線に立つ#13DL(ディフェンスライン)の平井基之。
昨年行われたワールドカップでは、日本代表にも選出され、フロンティアーズのみならず、日本フットボール界にとって欠かせない存在である。その彼に今シーズンのチームのこと、自分自身のことを振り返ってもらった。
— 2008年のシーズン初めに、どのような目標を立てていらっしゃいましたか?
昨年、一昨年は、LB(ラインバッカー)としてやっていて、今年DLに戻ったので、まずは自分のDLとしての動きを取り戻すことを意識していました。そのため、春は基礎を徹底して練習していました。
LBよりもDLのほうが、自分の持ち味が一番出せるポジションなので、自分のプレーには自信 をもってやれていたと思います。
— 春のシーズンで、DLの感覚というのは取り戻せましたか?
そうですね。全くやっていなかったわけではないので、感覚を戻すのはそれほど大変ではなかったですね。ただ、DLだとまともにOLと当たることが多いので、そこはかなり意識していました。
— 春のシーズンを通して、見えた課題と収穫は?
まず良かった点を挙げるとすれば、パスラッシュの部分です。そこは秋に向けて、さらに向上させるように取り組んでいきました。逆に、迷いをなくすことと、普通にヒットできているかという点は、これからもっと突き詰めていくべき課題だと感じました。特に「ヒットできているか」というのは、DLで一番難しく感じるところですね。


— 夏の練習を経て、日本一への本格的な争いが始まりましたが、秋のシーズンで一番印象に残っている試合、シーンを教えてください。
やはり、鹿島ディアーズ(以下、鹿島)戦が一番印象に残っていますね。ひとつは最後のシーンですね。今シーズンは順調に来ていたのに、最後の最後でケガをしてしまいました。
もうひとつが、前半の鹿島の攻撃で、エンドゾーンまで3ヤードの攻撃の4thダウン1ヤードの場面ですね。相手がギャンブルでプレーをしたものをロスタックルで、追加点を奪わせなかったことが印象に残っていますね。
あとは、一番体力的にきつかったのが、アサヒビールシルバースター戦です。前半が終わった段階で、1試合分消化したと感じるほど体力を消耗していたので。
— 同じDLメンバーの戦いはどのようにご覧になっていましたか?
特に新人である一木や、アメフト歴が浅い加藤などは、半ば親心をもった感じで、見守っていました。やはり緊張や不安といったものがあると思うので。自分のプレー中よりも、集中していたかもしれない…と思うほど、見入ってましたね。
ただ、まだ足りないと思うんです。どの選手にも、DLとしてもっと成長してほしい。真剣に取り組んだり、聞かれたりしたら、もちろんアドバイスはしていきます。ただ、私自身見て学ぶことが多かったし、言葉だけでは伝わりづらい部分もあるので、見て学ぶ、プレーを盗むことをもっともっとしていってほしい。
先日、パナソニック電工インパルスの試合を見ていたのですが、DL陣はどの選手が出ても同じレベルのプレーができるメンバーが揃っていると感じたんです。うちの場合は、まだチームとして脅威を感じさせるレベルまでは、達し切れてないと思います。だから、今の自分に満足することなく、もっと全体で刺激をしあってレベルを高めたいです。
— DLの中では、最年長ですよね。平井選手にとって、理想の環境・理想のプレースタイルとは?
自分の憧れている人がいて、その人を見て、付いていくほうがやりやすいと思っている。フロンティアーズの中では、プレーヤーとしての個々人の良さは感じているものの、最年長ゆえに、「目指すべき姿がいるか?」と言われると、現状ではいない。
学生のときは、その理想とする姿があり、それを見て成長できた部分が大きいので、そういう環境があれば、最高ですね。
ただ、プレースタイルとしては、理想をまねするのではなく、自分らしいプレースタイルをきちんと確立していきたい。ただ強い。ただ速いだけではないものを。
— その憧れといえば、立命館大学の先輩で、現在パナソニック電工インパルスの主将を務める山中正喜選手ですよね?
そうですね。アメフト人生の中で初めて衝撃を受けた人です。高校のときは、あまりプレースタイルがどうとか、憧れの選手が…というのはなかった。大学に行って、初めてそういう環境にめぐり合いました。もちろん、すごい選手たちがいっぱいいたのですが、山中さんは特にすごいなぁと感じましたね。
ただ、真似はできないです。持っているものがやっぱり違うし、自分が目指すプレーは、全く一緒じゃないと思うので。
— その山中選手が所属するパナソニック電工インパルスとは、昨年のJAPAN X BOWLで対戦しましたね。
あの試合は、思い出したくなくて、いつもは見るビデオすら見ていません。退場となった後味の悪い試合だったので、絶対にリベンジしたいと思っています。
— その山中選手が所属するパナソニック電工インパルスが昨年に引き続き、今年のJAPAN X BOWLも優勝されましたね。では、最後に来季にかける意気込みをお願いします。
パナソニック電工には、来年こそ必ずリベンジをしたいと思います。そして、必ず日本一になりたいと思います。DLは若手のメンバーも多いので、自分だけでなく、メンバーとともに成長していきます。来季も熱い応援をよろしくお願いします。

インタビュアー・ライター:長富 怜子